噛む習慣と健康について③

噛む習慣と健康について③

~咀嚼と私たちの健康~

 

 

「噛む習慣と健康について」シリーズの3回目です。

皆さんは小さいころに、何かを食べる時『よく噛んで食べなさい』と親や祖父母に言われた記憶はありませんか?また、子どもができて親になってから、その子どもたちに「早く食べなさい!」と言う事が多々あることに気づいたりもしませんか?

 

朝食もそこそこに、会社や学校に向かい、仕事の合間にサッサっと昼食を済ませ、子どもは学校から帰えれば塾や習い事に時間を取られ、「早く食べなさい!」と急きたてて、家族団欒でゆっくりと食事をするという習慣が少なくなっているように思えます。

 

だから、「家族団らんを大切にしましょう。」という話をするのではないですが、現親世代が意識して「よく噛む事」「食事時間をゆっくり目にとること」を実践し、子どもたちに教えていくことの必要性があるのではないかと少し思うのです。

 

数十年前から柔らかい食べ物が増えて食生活が変化し、『噛まない』人が増えたことは、前回の投稿でお伝えしました。また、近年のグルメ番組のレポートでは、「柔らかい食感」=「おいしい」という風潮があったりもします。

 

このような、日本の現代社会に『噛まない』食習慣が蔓延することを警戒して、警鐘を鳴らす専門家も少なくないようです。

 

当然ですが、食事で咀嚼回数が減れば『噛む力』は弱くなっていき、『噛む力』の低下は、歯並びの乱れや 『顎関節症』の原因のひとつにもなります。また、「口呼吸」を招いて、免疫力や認知機能の低下を引き起こし、健康にさまざまな悪影響を及ぼします。この3回シリーズの前回投稿でも、メタボリックや老化などの弊害についてご紹介しましたね。

 

今回は、このシリーズの最終回として、よく噛んで食べることのメリット・効果をまとめてご紹介します。

①胃腸を健康にする

消化酵素のアミラーゼを含む唾液の分泌を促し、胃腸での食べ物の消化吸収を促進します。逆によく噛まないと、消化器官に余分な負担がかかり、消化不良を起こし易くなります。

②丈夫な歯をつくる

咀嚼は、歯を支える歯根を刺激し、骨細胞の新陳代謝を活発にします。また、唾液に含まれる免疫物質が細菌を減少させるため、口腔内の清潔が保たれ、むし歯や歯周病の予防につながります。

③痴呆を防ぎ、知能を高める

アルツハイマー病の原因とされるたんぱく質「ベータアミロイド」は、咀嚼運動が少ないほど多くなると言われているので、よく噛む事によって痴呆予防になるといえます。さらに脳が活発に機能し、反射神経や記憶力、認識力、判断力、集中力なども高まります。

 

④がんや老化を予防する

唾液に含まれるペルオキシターゼというたんぱく質は、発がん作用を抑える働きや、身体に悪影響を与える活性酸素を抑制する働きもあるので、よく噛むことによって、がん予防や老化防止にもなります。

⑤ダイエットや美容効果があります。

食べ始めて20分ごろから、脳内の満腹中枢が作用し食欲を抑えます。ゆっくり時間をかけてよく噛んで食べることは食べ過ぎを防ぎ、肥満、高脂血症、糖尿病を予防します。

⑥歯並びがキレイで若々しい表情になります。

頭部や骨や筋肉の発育を促進し、維持します。正しい咀嚼を繰り返すことにより、表情が豊かで歯並びのきれいな人間らしい顔ができます。

 

身近な生活習慣である『咀嚼』を、無意識に『しない』、『少ない』ままにしていると、これだけの健康へのメリットを逃してしまっているのです。

 

特に、次世代の子どもたちの脳や運動能力の発育にも影響する習慣ともいえるので、「早く食べなさい」ではなく、「よく噛んで食べなさい」といえるようにしたいものですね。

 

 

食と生活スタイルを学ぶことが現代人にとても大事な知識。
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年齢を重ねるたびに気になる『キレイ』と『元気』。

時間に追われて、食べ物があふれる身の回りに流されながら何気にいると、体調が変?肌にくすみ?などなど顕著に現れる体の変化。私たちのカラダの細胞は、私たちが日ごろ食べているもので作られています。

 

だから、年齢を重ねるたびに意識したいのが「食」です。

日本人は「野菜を摂らないといけない」という意識はあるのですが、毎日食べているもので、積極的に摂りたいものや遠ざけたいものなどをもう少し意識したいですね。

 

食を学んでキレイと健康を一生自分のものにしましょう。

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