食事の栄養素について知る⑤
~脂質は「質」の良いものを摂る~
私たちが、食べているモノの栄養素を知るというシリーズの5回目です。
本日は脂質(脂肪)についてみていきたいと思います。
現代における飽食と現代人の運動不足は、肥満やメタボの進行を早めています。最近のメディアや関連商品の広告などでは、前回取上げた糖質と同じく脂質を、「ワルモノ扱い」するものも多々見かけますよね。
「太るからなるべく摂りたくない」
「脂(あぶら)は体に悪い」
「生活習慣病の原因になる」
「健康維持=ダイエット=低脂肪」 というような、
間違いではないけれど、偏った見方や認識を持ってしまうヒトが増えているように思います。
糖質と同様、ついワルモノ扱いされがちな「脂質」ですが、食事から摂取する脂質は、多すぎても少なすぎても健康に悪影響を及ぼす可能性がある大切な栄養素なんです。
私たちのカラダは、脂質から最も高いエネルギーを得ることができます。糖質のような即効性のあるエネルギーと違って、ある程度の蓄えがきき、私たちのカラダは優先的に脂質をエネルギー源として蓄えています。
さらに、細胞膜や臓器、そして神経などの構成成分になったり、ビタミンの運搬や吸収を助ける重要な役割担っているので、私たちには欠かせない栄養素の1つなんです。
その他にも、体温を保ったり、肌に潤いを与えたり、正常なホルモン、特に女性ホルモンの働きを助けるといった働きがあります。そのため、脂質を摂らなかったり、脂肪を減らしすぎると、女性は美容や健康を損なうことになりかねません。
美しい肌や髪のためには、ある程度の脂質が必要ってことはご存知ですよね。
脂質は、構成成分の「脂肪酸」の違いによって、大きく分けて2種類があります。
ひとつは「飽和脂肪酸」といい、動物性脂肪に多く、血液中の中性脂肪やコレステロールを増加させるので、摂りすぎに注意が必要です。
もうひとつは「不飽和脂肪酸」です。植物油や魚油に多く含まれていて、血液中の中性脂肪やコレステロールを低下させる働きがあります。
そして、この「不飽和脂肪酸」には、「必須脂肪酸」という絶対必要な脂質があり、体内でつくれないなので食べ物から摂らなければなりません。
脂質は、肥満や生活習慣病の原因となるため、敬遠されがちですが、脂質の摂取量が不足すると、エネルギーが不足して疲れやすくなったり、体の抵抗力が低下したり、ビタミンA・D・E・Kが吸収されにくくなり、ビタミン欠乏になるリスクもあります。
また、「必須脂肪酸」の不足で起こる症状では、皮膚症状、頭痛、疲れやすさ、体力不足、頭の働きの変調、すぐに炎症や出血が起き関節がむくむこと、不妊、流産、腎臓のトラブルなどが知られています。
しかし、冒頭述べたように、私たちのカラダは優先的に脂質をエネルギー源として蓄えるため、余分な脂質は、内臓脂肪や皮下脂肪に変えてどんどん蓄積していき、肥満や脂質異常症、メタボ、動脈硬化などの生活習慣病発症に繋がります。
では、摂り過ぎも、不足してもダメな脂質の1日の適正摂取量をはどれぐらいでしょうか。
年齢によって異なりますが、成人で1日に必要なエネルギー(cal)の20~30%ほどを脂質からとるのがよいといわれています。
・バランスの良い食事を心がけ、食後の運動と適正体重の維持する。
・オメガ3脂肪酸の摂取を心がける。
・ゆっくりとよく噛んで食べる
・糖質や脂質の代謝に役立つビタミンB群を摂る。
・脂質の燃焼を促す酸味のある果物や酢の物を摂る。
・食物繊維を摂って血糖の急速な上昇を防ぐ。
糖質のときでもお伝えしましたが、脂質も同じことです。「脂質」がカラダに悪い影響を与えるのは、偏った食事による不健康な脂質(トランス脂肪酸・飽和脂肪酸)の摂りすぎや、日ごろからの「運動不足」が原因です。
脂質は、摂取「量」もさることながら、健康に良い脂質(不飽和脂肪酸)を取るように食事コントロールしましょう。
健康なカラダ作りには、健康な食事が基盤となります。
だから、食を学んでキレイと健康を一生自分のものにしましょう。
あなたの美と大切な人の健康のために 【生涯一番大切な食習慣】を始めませんか。
次回は、「ビタミン」についてです。