「花粉症」と「果物・野菜アレルギー」
『・・アレルギーは、欧米や日本などの先進国で非常に大きな問題となっており、工業化・文明化と「アレルギー」は密接に関係があるようです。
アレルギーは年齢により症状が異なるかたちで現れることが多く、そのような現象は「アレルギーマーチ」といわれています。下の図1に示す様に食物アレルギーは、アレルギーマーチのうち最初に認められ、アトピー性皮膚炎を伴った形で発症してくるケースがほとんどです。
食物アレルギーは1才未満の乳児で最も多く発症しますが、厚生労働省の調査によると小児から成人まで幅広く認められています。最近では様々な食品にアレルギーが認められようになってきたのも特徴で、以前ではみられなかった果物・野菜・芋類などによる食物アレルギーの報告もされています。』
※厚生労働省「リウマチ・アレルギー対策」から https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/kenkou/ryumachi/dl/jouhou01-08.pdf
以前に、メロンやマンゴーの栄養素や効能などを紹介した際に、口の中や耳奥がかゆくなったりするアレルギーについて少しお話したことがありますよね。
皆さんの中には、上記の果物以外にも、りんご、桃、キウイなどを食べたときにも、唇や口やのどなどに、イガイガ感、かゆみや腫れなどを感じた経験をされた方はいないでしょうか。
その症状は、特定の果物や野菜などを摂取した際に起こる「口腔アレルギー症候群 (OAS)」と呼ばれ、特殊な食物アレルギーとされています。
何故特殊なのか?
このアレルギーは特定の植物の花粉症と関連があるといわれ、花粉症の人が、その花粉と似たアレルゲン(たんぱく質)をもつ果物などを食べた場合に、交差反応(下表参照)をおこして発症するからです。
食物アレルギー診療ガイドライン2012を基に作成
※交差反応とは、花粉と果物などのように異なる物質であっても、アレルゲンとなるたんぱく質の構造が似ている場合、ある花粉のアレルギー反応と似たたんぱく質を含む果物に対してもアレルギー反応が出やすくなるといわれています。
今や国民病ともいえる花粉症は、日本人の3~4人に1人の割合で発症していると考えられ、その患者数は増えつづけています。
その花粉症患者の10人に1人の割合で、この「口腔アレルギー症候群」が発症しているといわれており、花粉症患者さんの増加と共に近年増えてきています。
特定の果物や野菜に含まれるアレルゲンの構造は、花粉のアレルゲン構造とよく似ており、原因となる果物や野菜を食べると、体が花粉が侵入してきたと勘違いし、体で作られているIgE抗体と反応してアレルギー症状を起こします。
症状は、食後1 5 分以内に口の中やのどにかゆ みやヒリヒリ感を感じた り、口腔内が腫れてきます。 同時に鼻水などの鼻炎症状、眼や皮膚のかゆみ、腹痛、下痢などの胃腸障害などが現れることもあります。
また重症の場合、血圧が低下して呼吸困難を起こしたり、意識がなくなるなどのアナフィラキシーショックを起こすケースも稀にあるため注意が必要です。
口腔アレルギー症候群の対策としては、
まずはアレルギーの原因となる食べ物をなるべく食べないことが大切です。
息苦しい、意識がもうろうとするなど、症状が重い場合は、すぐに医師の診察を受けるようにしましょう。
花粉症と同じく、完全に治すことはできませんが、その食べ物の摂取を控えることで、発症を抑えることは可能です。
不安な場合は、食べる前にほんの少しだけ舌にのせて、もしピリピリとした刺激を感じるようなら食べるのをやめます。症状が軽いからといって食べ続けると重症化する危険もあります。
口腔アレルギー症候群は花粉症でない人も注意
口腔アレルギー症候群は、花粉症でない人でも起こります。ゴム手袋(ラテックス)過敏症のある人、即時型食物アレルギーがある人、アトピー性皮膚炎やぜんそくのある人などにも起こる場合があるので注意してください。
年齢を重ねるたびに気になる『キレイ』と『元気』。
時間に追われて、食べ物があふれる身の回りに流されながら何気にいると、体調が変?肌にくすみ?などなど顕著に現れる体の変化。私たちのカラダの細胞は、私たちが日ごろ食べているもので作られています。
焼くだけ、温めるだけの加工食品やコンビニ、スーパーのお惣菜食品などに頼った生活を送り続けると、生きた食の知識は得られませんし、添加物などの余計なものまで食べてしまうことになります。
自然の恵みである食物一つ一つに、私たちのカラダにとって良いものや悪いものが存在します。その特性を理解するうえでも、食材から調理して食べる習慣を身につけていきたいですよね。
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