美と若さを保つ第七の栄養素とは?
~食事の栄養素を知る~
私たちが健康に生きていくために欠かせない5大栄養素には、
私たちのカラダの主要な構成物質になり、活動するためのエネルギー源となる 「たんぱく質」、「糖質」、「脂質」の3大栄養素と、この3大栄養素からカラダのエネルギーや構成成分をつくり出したり、さまざまなカラダの機能を働かせるための栄養素「ビタミン」と「ミネラル」があります。
また、炭水化物の仲間で、以前は無益な成分とされてきた「食物繊維」は、現代の研究成果によって、さまざまな生理作用や体内での重要な働きがあることがわかり、第6番目の栄養素としてこの5大栄養素に加わりました。
さらに、近年では、抗酸化作用や免疫活性作用のある植物由来成分「フィトケミカル (フィトニュートリエント)※」が加わり、7大栄養素になりました。
※フィトケミカルは、ファイトケミカルともいう。
フィトケミカルとは?
フィトケミカルと言われてもあまり、馴染みがないですね
そこで今回は、この7つ目の栄養素フィトケミカルについてご紹介します。
フィトケミカルとは、野菜、果物、豆類、芋類、海藻、お茶やハーブなど、
植物性食品に含まれる色素、香り、苦み、渋みなどの成分で、植物が紫外線や害虫などの外敵から身を守る効果を発揮していたものです。
フィトケミカルは1つの野菜や果物に複数存在していることがあり、その種類は数千以上もありますが、大きく5つのタイプに分類することができます。
①ポリフェノール類(アントシアニン、イソフラボン、カカオポリフェノール、カテキン、など)
植物の光合成でつくられる糖分の一部が変化してできた色素やアクの成分。
②カロテノイド類(リコピン、ルティン、など)
主に緑黄色野菜に含まれる黄色やオレンジ、赤などの色素成分
③含硫化合物(アリシン、イソチオシアナート、など)
イオウを含む化合物で、香りや辛味成分
④テルペン(テルペノイド)類(リモネン、ジテルペン、フラボノイドなど)
柑橘類やハーブ類特有の香りや苦味の成分
⑤その他(β-グルガン、など)
きのこ類に多い食物繊維の一種で、免疫機能を高める働きがある
ここまでくると、ポリフェノールやカロテンなど聞いたことのある名前が現れますね。
このフィトケミカルには、大きな役割が2つあります。
一つ目は、活性酸素の害を無毒化する抗酸化作用です。抗酸化力は年齢とともに衰えますが、ファイトケミカルを摂取することで、抗酸化作用が得られます。
果物や野菜にたっぷり含まれるビタミン類にも抗酸化作用があるので、野菜や果物を毎日適量摂れば二重の守りになりますね。
二つ目は、免疫の働きを強くする効果です。体の中に細菌やウイルスなどの異物が進入すると、免疫細胞の白血球などがこれを異物と認識し、数を増やしたり、働きを活発化したり、 いつもより活発にと働くようになります。
例えば、美白・美肌効果があるリコピン、眼精疲労回復効果を持つブルーベリーのアントシアニン、脳内の興奮を鎮め、平常心を保つ手助けをしてくれるGABA、育毛効果があるとされるごまのセサミンなど、身近な植物性の食べ物に多く含まれている成分が、がん予防や美容の分野で役立つと期待され、大学や企業で研究が進められています。
また、フィトケミカルは、食物の色でも見分けることができます。
七色ありますね。
黄色のかんきつ類など(フラボノイド)
緑色のほうれん草、キャベツなど(クロロフィル)
赤色のイチゴ・トマトなど(リコピン)
オレンジのニンジン、オレンジなど(カロテン)
紫色のベリー類、ブドウ、アサイーなど(アントシアニン)
白色のきのこ類など(β-グルカン)
黒色の緑茶など(カテキン)
などです。馴染みのある名前も多いですね。
食事は、5色以上の彩りで用意すれば、バランスよく栄養素を摂ることができるという言葉をきいたことはないですか?このように野菜や果物の色にもちゃんとした理由があるんですよね。
フィトケミカルは、必須栄養素のように1日の摂取基準が明らかになっていないものが多いのですが、日々の食事の中で「彩り」を意識して摂取するようにしましょう。
以上7回にわたって食事の栄養素についてご紹介してきました。
これらの記事は以下でご覧になれます。
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時間に追われて、食べ物があふれる身の回りに流されながら何気にいると、体調が変?肌にくすみ?などなど顕著に現れる体の変化。私たちのカラダの細胞は、私たちが日ごろ食べているもので作られています。
日本人は「野菜を摂らないといけない」という意識はあるのですが、毎日食べているもので、積極的に摂りたいものや遠ざけたいものなどをもう少し意識したいですね。
食を学んでキレイと健康を一生自分のものにしましょう。
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